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ギャラリートーク イン 2014松屋銀座展 その6

2014年10月15日(水)~21日(火) 松屋銀座 7階 遊びのギャラリーにて開催致しました 篠原貴之 水墨絵画展で、来場者の方と作品についてお話した内容の幾つかを、ギャラリートークと題し、ブログでも紹介してゆきます。



今回はネコを描いた「気配」について。
14松屋出品作
気配(ネコ)
この絵は今回の最新作の一つです。描いた時期が新しいというだけでなく、内容もちょっと新しい表現を獲得したかなと思える作品です。
絵になってしまった物を見ると何でもない絵に見えますが、ネコという対象を再現と表現を行き来して、このような墨使いで描けるようになったのは,今まで望んでも出来なかった境地です。
対象に引っ張られ説明的になりすぎたり、墨の表現は面白いけれど対象とイメージが重ならない自分勝手な表現になってしまったり、再現と表現の程よいバランスは本当に難しいことですが、このネコはうまくいきました。
ネコの墨使いをよく見てください。白い毛と黒い毛、しま模様とか理由の分かる再現的な墨使いと、どうしてそういう色を付けたのかなと理由の分かりにくい表現的な墨使いとで、ネコが出来ています。
それがどうしたというような、この墨使いに生涯を賭けているのです。
 この絵は実はポルトガルで描いた絵で、はじめはネコの後ろにあるポルトの町を描くつもりでした。でも近景に描いたネコの出来が良いので、もう何も要らなくなってしまい、ネコの絵におちつきました。
ネコを描こう!とがんばっていない時に、ひょこっといいネコが現れるのも、皮肉な水墨画の醍醐味です。
 
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