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ギャラリートーク イン 2014松屋銀座展 その5

2014年10月15日(水)~21日(火) 松屋銀座 7階 遊びのギャラリーにて開催致しました 篠原貴之 水墨絵画展で、来場者の方と作品についてお話した内容の幾つかを、ギャラリートークと題し、ブログでも紹介してゆきます。



今回は室堂から立山を描いた「立山をゆく」について。

 

 

14松屋出品作
「立山をゆく」

 

麓から見た立山は、今までにたくさん描いてきましたが、山に登り描いたのは今回が初めてでした。
真っ白い立山を描きたくて、立山アルペンルートの山開きから、程よいスケッチのタイミングをはかり、定点カメラと天気予報とにらめっこ。5月後半、一部雪どけのあとがみえだしたところを狙いました。
この絵の黒い部分は、雪どけが1番に始まり頭を出したハイマツ林です。
真っ白な風景の中に現れたこの一本の黒いラインの面白さから、この構図が生まれました。
白を基調に微妙な墨の調子が画面に入っているので、会場では実際の絵にできた光のむらなのか、描かれた光と影なのか目を凝らして見ている人が見受けられました。確かに、使う墨の色がデリケートになってくると、絵はこの実際の光のむらの影響を多分に受けますが、私はそれも良しとしたいと思います。写真撮りのように均一の光を当てることを前提とするより、そのむらを絵に取り込むことで、さらに絵の奥行が増すような絵ができればと思っています。
 

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