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「にほんの里100選」越畑・樒原 の推薦文 

 「にほんの里100選」越畑・樒原 の推薦文 

 美しいと言えるような自然、里山を次代へ伝え残していく為に、各地でいろいろな試みがはじめられています。私たちも今暮らしている里山を守るために何か出来ないかという思いで、妻と地元の友人とが、今回の「にほんの里100選」に推薦文を書き、入選となりました。

 その推薦文をここでご紹介します。

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<推薦文>


「宕陰地区(越畑、樒原)―棚田の広がる京の里山―」


京都市の北西端、火の神様の宿る愛宕山。その山麓に位置する宕陰地区は、越畑、樒原の二つの地域からなる棚田の美しい里山です。

山の中腹にありながら、かつて明治の頃に村の人々の力でひかれた水路のおかげで、豊富できれいな水にも恵まれ、澄んだ空気のもと、美味しい米と野菜がとれ、そして早春から秋にかけては さまざまな花があふれます。

20年以上も前から この風景に魅せられ、スケッチに通っていた水墨画家の夫と、ふたりのこどもと、五年前にこの地に越してきました。

車でたった30分走れば、京都観光名所の嵯峨野、嵐山という場所にありながら、ご多分に漏れずこの里山もまた、過疎という問題を抱えています。

地域の小中学校は、全校児童、生徒合わせて13人。少ない人数ながらも、豊かな自然の中、地域の方々のあたたかい目に見守られ、こどもたちは、伸び伸び活き活き活動しています。

山の中腹に位置することから日中の寒暖の差が大きく花の色が美しいそうです。また、京都市内にありながら、夏も涼しいため農薬も少なくおさえられ、安全で美味しい米や野菜が収穫されます。

街から越してきた私たちですが、地元の年配の方々に、早春の山菜―フキノトウ、野甘草、花山椒、実山椒、ふき、ワラビ―の料理から、梅雨の頃の梅干しつくり、夏には有り余るほど採れるキュウリを漬け物にして保存する方法、ショウガやミョウガの保存の仕方、稲ワラをなって作る干し柿に、たくわん漬け、柚子を使った柚ベシや柚子ジャム作り、味噌つくりを教わり、自分たちの畑から採れる作物で年中食べていく、昔ながらの人々の知恵に感心する日々です。

広がる棚田の風景は本当に美しい。長い冬が終わり、雪が溶けると真っ白だった田畑が耕され、土の色がよみがえります。田に水が入り鏡面のように輝く棚田。早苗が風にそよぐ情景。ぐんぐん伸びゆく稲の緑。そして黄金色にかがやくたわわに実った稲穂の風景。
それらが刈り取られるとまた、静かな静かな冬の予感。そしてある日、真っ白に雪がすべてをおおい隠すのです。

我が家の窓から見渡せる、この美しい棚田の風景を見た人は、自然がいっぱいの良いところにお住まいですねと言われます。ですが、それは全てひとびとが手を入れ、世話をする中で作られてきた、人と自然との共存の風景なのです。

こんなにすばらしい日本の原風景を、過疎化でなくしてしまいたくないと、現在、地域の学校と親たちと住民で、協議会を立ち上げ、ここで暮し学ぶ子どもたちを招き、迎え入れる動きが始まっています。

にほんの里100選に、越畑、樒原地域を推薦いたします。


2008年3月―越畑にて―
篠原ともみ

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にほんの里100選
―2008年1月~3月、朝日新聞紙面にて公募―

(右京区役所庁舎[SANSA右京]内で開催中の写真展でも、推薦文を掲示してくださっているようです。)

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