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アンドリュー・ワイエス(続き)

(続き)

 ワイエスの絵はその時から30年間ずっと私の先生です。
仕事が手につかず、うだうだと考えてばかりいる時は、いつも彼の画集をめくります。すると一番大事なことを繰り返し教えてくれます。何を描くかではなく、物事をどういう眼差しで、どのように見るのか、それが絵の根幹であると。

 現代の美術は何を描くかというテーマの新しさ、どのように描くかという表現方法の新しさが重要であるようです。時代に反し、ワイエスの絵は写実的な表現で、その卓越した描写力のため、単なる写実主義者であるとか、家の周りに有るモチーフばかりを描いているため民俗画であると扱われ、美術界ではその価値を長くみとめられてこなかったようです。

 しかし彼はあえて時代をあざ笑うように、写実的表現をとり続けその表現を研ぎすまし、家の周辺のモチーフを描き続け、その地での暮しの歴史をモチーフの奥行きに育んでゆきました。
表現方法やモチーフで私の絵を語るなといいたかったのでしょう。
この反骨精神も大きな彼の魅力です。

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