水墨画に役立つ楽しいデッサン入門 1-3
水墨画に役立つ楽しいデッサン入門
1. 視点-3
(2の続き)
初回のテーマは視点です。
対象を捉える際、もっとも基本となるのが視点です。輪郭だけを追って形を写していると、細かく描いているにもかかわらずなかなか形が取れないことがよくあります。
視点を見極め、形の成り立ちをしっかり把握すると、大雑把に描いていても対象をうまく捉えることが出来るものです。
視点についての理解から始めましょう。
■基本
まず立方体で考えてみましょう。
立方体を描こうとしたときに最初に考えるのは正面から見たB図です。
右の面と左の面の見える割合を決めたら(B図では2対3ほど)立方体を上げてみましょう。
すると少しずつ下の面が見えてきて、それにともない垂直の辺が短くなってきます。(A図)
下げてゆくと今度は上の面が見えてきて垂直の辺が短くなってゆきます。(C図)
水平の線に注目すると、目の上にあるA図では遠くへ行くほど下がってゆき、目の下にあるC図では逆に遠ざかるほど上がってゆきます。
眼の高さにある水平線は遠ざかっても一直線の水平線上にあります。
当たり前のようですが、視点の基本はすべてこの中にありますので、A図、B図、C図をしっかり頭に入れておいて下さい。(1-4へ続く)
初出:「季刊・水墨画109 水辺を描く」日貿出版社刊
JUGEMテーマ:デッサン
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