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温故知新 水墨名画鑑賞6 山元春挙 雪中田家朝横物

 

私の描く作品は、イタリア等ヨーロッパをモチーフにしている印象が強いかと思いますが、絵づくりにおいては日本や中国の古典絵画にヒントを得て描いています。また何より、水墨画を愛する鑑賞者の1人でもあります。
温故知新 水墨名画鑑賞 と題し私の好きな作品を紹介し、描き手の立場から、その作品の非凡な表現を観てゆきたいと思います。
絵を、描き手の視線で鑑賞することで、違う視点や新しい創作のヒントになれば幸いです。

 

なお紹介する作品は出典が不確かなものも有り、真贋のほどは保証しません。誰が描いたかは重要視せずその絵自体を語っていますのでご了承の程お願いします。

 


今回もまた春挙。

今回の絵は 私の頭の中に常に有る、水墨表現の理想の姿です。

先ずは絵を観て下さい。

 

春挙 雪中田家朝

 

昭和初期の古美術商の競売カタログからなので,白黒の上に画像が悪いので想像力を持って見て下さいね。

 

何でもない雪の葛屋に鳥が飛んだだけの絵ですが、水墨画の極地ともいえる作品です。

最小の手数にして、1枚の絵として全く不足のない仕上がりを見せています。

 

最大の注目点は,千鳥を飛ばせるために用意した虚の空間です。

これにより 葛屋の右端と雪の地平のラインを自然に省略して説明的な形を最小限に押さえています。

そして 千鳥の飛び立つ鮮烈な動きを前面に押し出しています。

 

雪の上にかすかに描き入れた道の跡にも注目しましょう。千鳥の背景となる虚の部分と、はっきり風景が見える実の部分との対比を際立たせ、絵に厚みを持たせています。

虚の部分に入れた淡墨が、雪の湿度感ともリンクし、観ているうちに雪の中の空気まで感じてくるようです。

 

この絵は私の水墨表現の理想型です。どんなモチーフを描く時でも、こんな風にとらえられればと、常に頭の片隅においている私の先生です。

 

その他の 温故知新 水墨名画鑑賞 を見る

 


 

篠原貴之の絵にご興味が有りましたら、是非原画を観に展覧会に足を運んで下さい。

水墨表現の技法に興味のある方は 篠原貴之の創作プロセスや技法の動画や教室もあります。

それぞれ、以下リンク先をご参照下さい。

 

 

 

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