2020年阪急展出品作品紹介9
先日阪急うめだ本店美術画廊にて篠原貴之水墨絵画展が開催されました。
今年は残念ながらコロナウィルスの影響から、足を運んでいただくことが難しい状況でした。
そこでお越し頂けなかった方にも、画像だけでもご覧いただければと思い、ブログでも出品作品を順次紹介してゆきたいと思います。
9回目は前回に続いてイタリアのリグーリア州チンクエ・テッレ界隈の風景を描いた作品からのご紹介。
絵を描く人のために、描いた際意識したポイントも少し添えておきます。
この町は表から見るとひと続きの町だが、鉄道の駅のある裏側から見ると、山の頂を隔てた二つの町のように見える。何気なく描き始めてしまうと平板な一つの壁面になってしまう構図だが、二つに別れた「あっち」と「こっち」を意識することで、画面に奥行をを与えた。
この絵のような急峻な崖の斜面に築かれた五つの漁村(チンクエテッレ)は、恋人たちの小道と呼ばれる遊歩道で結ばれている。ネーミングは優しいが、道は全行程片側が海に面した崔となり、チョット足を滑らすと海へ転落するなかなか厳しい山道だ。しかしこの道は、絵を描くには最高で、高低遠近様々な視点を提供してくれる。画家たちの小道と改名した方がいいかもしれない。この絵もこの道のお陰で生まれた。
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