2020年阪急展出品作品紹介3
先日阪急うめだ本店美術画廊にて篠原貴之水墨絵画展が開催されました。今年は残念ながらコロナウィルスの影響から、足を運んでいただくことが難しい状況でした。
そこでお越し頂けなかった方にも、画像だけでもご覧いただければと思い、ブログでも出品作品を順次紹介してゆきたいと思います。
3回目は仏像を描いたシリーズのご紹介。
描きたい人のために、描いた際意識したポイントも少し添えておきます。
静かな中にも、覚悟のような自身への厳しさを感じるこの釈迦如来坐像は、奈良室生寺の仏様です。
特に横顔が魅力的で、左右少し表情が違って見えるのですが、どちらもそれぞれの良さを感じます。
この作品では、木の質感を思い切った第1筆目の筆致で表してみました。大胆に初めて、次第に繊細に表してゆく、写意的水墨画の作画の流れが見て取れる作品です。背景の暗い空間の微妙な墨色の変化も水墨ならではの表現となっています。
仏像の左右の表情の違いを比べてもらうのも面白いかと思います。
この仏像は平等院の雲中供養菩薩の中のひとつです。楽しげに音楽を奏で、舞う姿は愛らしく、とても身近に感じる仏様です。衣や宝冠に様々な装飾が施されていますが、説明的な細かい表現が多くなりすぎないよう意識して、しなやかな体の動きと表情に重点を置いて描きました。
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