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ギャラリートーク イン 2015Bunkamura 展 その2

2015年1月15日(金)~25日(土) 渋谷 Bunkamura boxギャラリー wall ギャラリーにて開催致しました 篠原貴之 水墨絵画展で、来場者の方と作品についてお話した内容の幾つかを、ギャラリートークと題し、ブログでも紹介してゆきます。



今回は「デッキチェアー」について。
 

この絵はシチリアのアグリジェント近郊の町ラーリチェの街角で出会った風景です。
名所旧跡でも無い、ありふれた風景ですが、私には描いてみたくなる絵的な魅力に溢れたモチーフでした。
手前の建物の影と白い壁、それらに挟まれた街灯や家の側面の壁の質感や南洋植物の葉がある混沌とした部分。
この三つの部分の見え方が何ともきれいで筆を執りました。
最終的には、さっきまでおばあちゃんがイスに腰掛けていたテラスを主題に仕上げました。
絵を作る上で面白いポイントが一つ、この絵にはあります。
白い壁の家の屋根と壁のラインが交わる右角を描いていません。ここをきっちり描くと、家という物はより説明出来るかもしれませんが、この家のある情景、空気感のようなものは失ってしまい、絵が死んでしまうように思えます。
こんな、何でも無いようなところが、イメージを大きく左右するのも絵の醍醐味です。
 
 
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