水墨画入門 6
水墨画入門 6
5)白いバック(背景)が大前提。
当たり前のことですが、水墨画の背景は、紙の地色が基本です。
紙の性質上、筆跡が残るので、べた塗りということが出来ません。それに下地となる墨色を塗ってしまうと、紙の繊維が膠をすってしまい、その上からはきれいに墨が入りません。よって地色は、紙の色のまま描くことになります。
真っ白なシクラメンを、墨で白い紙に描いてみて下さい。どうします?
油絵や日本画なら、深いブルーグレーなどの下地を塗ったキャンバスに、白い絵の具で描くことが出来ます。そしてバックと花が一体となるように、花の中にもバックの色を少し入れていったりもするでしょう。
水墨では、白い花を「表現」するしかありません。
そして花の中に白い背景の色を「表現」するしかありません。
水墨画は、白い紙に描くのは当たり前と思われるでしょうが、絵を描くということからすれば特異なことで、その不自由さゆえに水墨ならではの表現が生まれてきたのでしょう。
この記事へのコメントはありません。