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水墨画入門 3

水墨画入門 3

3)いきなり濃いところから描き始める。

 絵を描く場合、最初薄く描いておいてから、だんだん濃くしていくものと思いますよね。
それが水墨画では逆になります。

 理由は二つあります。

 一つは筆の中につくった墨のグラデーションを使って描くという、筆と墨の関係です。
この描き方では、必然的に描き初めが濃く、墨がきれてくるにつれて薄くなります。

 もう一つは、生の紙(滲み止めを表面に施していない紙)に、最初においた墨が最もきれいに発色するという、墨と紙の関係です。
生の紙は最初は墨をしっかりと吸込んでくれます。でもそのあとはもう紙の繊維が墨の膠分吸ってしまっているので、描いた墨は紙に食い付かれることなく、紙の表面を漂ってしまいます。

 よってきれいな墨色は、一発勝負で描く必要があり、少しずつ塗り重ねて描くわけにはいかないのです。

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