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ギャラリートーク イン 2014松屋銀座展 その2

2014年10月15日(水)~21日(火) 松屋銀座 7階 遊びのギャラリーにて開催致しました 篠原貴之 水墨絵画展で、来場者の方と作品についてお話した内容の幾つかを、ギャラリートークと題し、ブログでも紹介してゆきます。



今回は南フランスの下町を描いた「祝福」について。
14松屋出品作
「祝福」(トゥーロン・フランス)
ニースとマルセイユとの間にある 港町トゥーロンに、水墨画の講師として招かれて、そこで約ひと月を過ごしました。
この町は表通りはカラフルなカフェやホテルが建ち並び、南フランスらしいおしゃれな様相ですが、また、別の一面も有ります。旧市街は、縦に長いアパートがひしめく合間に狭い路地が巡り、一歩中へ入るとアフリカの民芸品やアラブのパン屋、寿司を売る中華料理、怪しげな水パイプを吸わす店等々、港町ならではの国際色豊かで猥雑な一面もまたこの町の魅力です。
滞在中、この旧市街の狭い路地を主題にした絵を何枚か描きましたが、そのうちの1枚がこの「祝福」です。
彼女を、自分とハンドルの間に座らせ、酔っぱらい運転のようにゆらゆらと楽しそうに路地をゆくカップルに、なぜか触発され筆をとりました。
描き進めるうちに、路地の上に張りめぐる洗濯物が万国旗のように見えてきて、彼らを囲む路地全体が、彼らを祝福しているかのようでした。 僕の目には差し込んだ光の中に、紙吹雪までもが見えています。
今少し時間を経てこの絵を見ると、家族と離れ異国に過ごす、自分自身の開放感と孤独感がよく現れていて、素直に描けた1枚カナ と思います。
 
 
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