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繁久寺襖絵「万葉故地」テーマについて

 襖絵のテーマに関しての依頼は、部屋を飾る風景(山水)画であること、立山をどこかに配すること、という2つの条件で、具体的には全て任せるというものでした。あえて仏教的な意味も求める必要もないという依頼です。
そこで、立山を配するということから、地元高岡の自然を描くということを前提とし、構想を練り始めました。
しかしながら考えれば考える程、お寺という受け継がれてゆく公的な場所に、作家の思いだけでテーマを決めてしまっていいものかと、さんざん悩みました。とにかく具体的なモチーフの選択に際し、立山、二上山、雨晴、小矢部川、松太枝浜などを訪ね、興味のあるもののスケッチを重ねました。
そのなかで、各地に建てられた万葉歌碑に興味をそそられることになります。
高岡は大伴家持が国守として5年間赴任し、多くの優れた歌を残した地です。
家持や多くの万葉歌人に歌われた高岡の自然が今日まで残され、その歌を共感出来る風景を目にすることが出来ることは、現代において奇跡といえます。
そこで万葉集の中から視覚に訴える印象的な歌で、今もその背景が残る下記の歌を軸に、身近にある高岡の豊かな自然の美しさを描こうと腹が決まりました。制作途中、東日本大震災が起こり、変わること無く身近にある自然の尊さをあらためて感じたことも、その後確信を持ってこのテーマに取り組む力となりました。
万葉の歌からふくらんだイメージと、スケッチした現在の風景、それに襖絵の置かれる部屋の意匠や光の印象を織りなし、私なりの高岡の山容水態を描きました。        
 
渋谿を 指して我がゆく この濱に 月夜飽きてむ 馬しまし停め(襖
繁久寺襖絵 水墨画 
繁久寺襖絵 水墨画 
渋谿の 二上山に 鷲ぞ子産とふ 指羽にも 君が御為に 鷲ぞ子産と(襖)
繁久寺襖絵 水墨画 
繁久寺襖絵 水墨画 
立山に 降り置ける雪の 常夏に 消ずて渡は 神ながらこそ(掛軸)
繁久寺襖絵 水墨画 
撮影 堀 淳二郎

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